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2012.07.31中国人若年女性のボディ「Jue 珏 9」共同開発。

文化ファッション大学院大学の修了生である王珏さんが株式会社キイヤの協力を得て中国人若年女性のボディ「Jue 珏 9」を作成しました。

 

2012年3月に文化ファッション大学院大学を修了した王珏さんが修了研究「中国長江下流若年女性体型の研究及び原型とボディの作成」において、株式会社キイヤの協力を受けて、中国長江下流地域(上海市・江蘇省・浙江省・安徽省)の若年女性(22歳~30歳)の体型研究を行い、ボディを作成しました。

 

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中国人若年女性のボディ「Jue 珏 9」

 

研究に当たっては、中国長江下流地域の若年女性30人の体型計測と写真撮影を行い、18人をピックアップし、平均値に近く、かつ中国人らしい体型をしていて、均整が取れている人を選び文化服装形態機能研究所の協力で三次元計測とシルエッター撮影を行いました。そのデータを基に株式会社キイヤの造形課の鶉さんが初発の原型を形にまとめ上げました。そして、そのフォルムを基にして王さんと株式会社キイヤのコラボレーションが始まり、王さんのイメージの中にある形が次第にまとまっていきました。その後、王さんのイメージの中にある形を裁断用ボディとして使える道具のフォルムに修正をして頂きました。そうして、最初のボディが出来上がり、教授方の手厚い指導を受け、修士論文を無事完成させ修了しました。

 

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左: 王珏さん 右: 株式会社キイヤの造形課の鶉さん

 

その後、元清華大学客員教授で、長年中国でパターンメイキングの指導に携わり、中国の女性の身体を熟知した佐藤典子先生にフォルム修正するポイントをご教示頂きました。
 そもそもなぜ王さんが中国人若年女性のボディの作成を行ったのかというと、自身の修了研究を進めていく中で、広大な中国では地域により体型に大きな特徴があるということ、中国人の消費意識が大きく変化し、「中国の服はパターンが良くない、着心地が良くない」といった不満がある―ということがわかり、改善する必要があると考えたことでした。そして、それに賛同した株式会社キイヤの協力を受け、ボディを作成することとなりました。
 「Jue 珏 9」は、中国服装設計師協会主催の中国服装造型設計与・技術学術研討会で紹介され、上述の佐藤典子先生が技術学術検討会のセミナーでは実際に「Jue 珏 9」を使ってドレーピングのセミナーを行われました。その他、常熟理工学院の芸術与服装工程学院、浙江紡績服装職業技術学院、北京服装学院などの先生方にも非常に興味を持って迎え入れられました。学校だけではなく、中国のアパレルメーカーのパターンナーの方々もとても興味を示されていました。
今後も「Jue 珏 9」を通して日本と中国と双方で、服づくりの質を高めて行く取り組みを地道に進めていく予定です。今後の発展が楽しみです。

 

 

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研修会の様子

 

株式会社キイヤ・・・ 1919年創業の長い歴史を持つボディの専門メーカー
株式会社キイヤホームページ:http://www.kiiya.co.jp/