修了生インタビューFashion Business Administration Course Alumni Interview

許 瑋霖

株式会社ベイクルーズ

海外事業マネージャー

許 瑋霖

ファッション経営管理コース 第7期生

PROFILE

台湾・東海大学政治学部を卒業後、文化ファッション大学院大学 (BFGU)入学。
2014年に修了後、株式会社ベイクルーズに入社。
同社グループのブランド、JOURNAL STANDARDで海外事業マネージャーを務める。

ファッションはメッセージ。 ビジネスを通じて社会へ届ける

「国を動かしてみんなを幸せにする」。そんな仕事をしたいと思っていた10代のころ。法律に興味をもちつつ、台湾の大学では政治学を勉強していました。当時はファッションを仕事にできるとは思いもよらなかったのですが、アメリカへの短期留学時に、ラルフローレンがゼロからカルチャーをつくり、社会に影響を与えてきたことを知ったんです。また、高校時代から日本の雑誌『メンズノンノ』や『smart』などを愛読しており、実際に旅行で原宿を訪れてみると、個性あふれる人たちが歩く街並みにワクワクして……。

生活を彩るファッションも、一つのツールとして社会をよくしていくことができるのではないか、と思い抱くようになりました。"文化"は日本のファッションを代表する学校ということと、その中でも修士を取得できるという点に魅力を感じ、BFGUに入学しました。

国や環境に応じた適切な戦略で 価値の連鎖を生み出す

実際に入学して感じたのは、「一消費者」から「ビジネスを仕掛ける側」へ、一気に考え方をシフトさせてもらったなということ。まず、お客さまが入店してから商品を手に取って試着し、お会計をして店を出るまで、購買心理の8段階を踏まえてどう心を動かすか、緻密に計算されている店舗づくりの奥深さを知りました。そして、企業やブランド、組織をどうデザインするかという考え方も演習科目で学び、今の仕事に直結していますね。

こういったBFGUの実践的な学びの素地があることで、ベイクルーズに就職して間もないうちから、様々な業務を体験させてもらっています。販売スタッフからスタートし、現場でお客さまのニーズを理解しながら、「適品・適時・適所・適価・適量」というMDの基本をじかに分析。全国から店長が集まって議論する内部向け展示会に、店舗を代表して参加することもできました。

3年目からは海外事業部で、アジアを中心にJOURNAL STANDARDの店舗運営全般を担当。エリアが変わると、店舗の仕組みづくりも異なります。営業係数管理から、商品MDの構成、店舗別展開商品の仕入れや現地スタッフの育成に取り組むほか、海外提携パートナー企業とのマッチング、ライセンスビジネスの交渉にも注力しています。

仕事を続けてきてうれしいのは、現場スタッフから提案を受け、チームで考えて一緒につくり上げた商品を誇りをもってお客さまに紹介し、多くの方に購入いただける……そういう価値の連鎖が輪になった瞬間。私たちの提案するスタイリングが、お客さまにとって自信をもって生きる力となり、ささやかでも人生を豊かにできたら、社会に貢献できるのではないかなと思っています。

MESSAGE

経営管理の分野でも、机上の勉強に終わらないのがBFGUならでは。物流や国際貿易、計数管理の知識は、関連部署とのコミュニケーションを円滑にし、事業計画書の書き方や損益計算書の見方は新規出店のプレゼンテーションに活きています。

修論では日本の就活スーツの役割や背景にある世相、文化を研究し、自分なりの一着を仕立てて就活に臨みました。心に残っているのは、教授からの「学生でいられる時期に、自分のカード=強みを可能な限り集めてください」という教え。実際、企業の方々が「研究のためなら」と教えてくださったことが多々あり、その後の生き方にも影響を受けています。
ぜひ皆さんも、今しかできないことにどんどん挑戦してほしいです。