激変する社会におけるファッション業界の現状と今後
日本国内のファッション業界は長い不況。また、人口減少や高齢化社会のため、ファッション消費者が減少している。
しかし一方で、ndustry4.0、ソサエティー5.0といった革命の中「超スマート社会」を目指す動きが活発化している。ファッションテックを軸にマネジメントを行うことが当然になってきている。日本のファッション企業は今様々な脅威、またチャンスに置かれている。それらをどのように理解しビジネスを展開していくのかを論じていく。
第1章ではデジタル化によって消費者行動モデルがどのように変わってきたのかをインターネットの普及前後に分けて論じる。第2章ではファッション業界における物流システムについて考察する。特に日本国内の複雑な産業構造の理解やSCM(サプライチェーン・マネジメント)に商流と情報流を融合した消費者目線のもの作りを合体させたDCM(デマンドチェーン・マネジメント)について考察する。第3章では、企業と顧客のコミュニケーション、つまり情報流の情報源となるCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)について論じる。第4章では、WEBとリアル、情報流と商流の融合の概念について整理する。
第5章では今後の可能性としてDX(デジタルトランスフォーメーション)がファッション業界にどのような影響を与えるか、また消費者はどのように変化するのか、AIの限界と人間の融合について考察し、まとめる。
IT 技術の進化と VMD の未来
IT技術の進展により、リテール業界はニューリテール時代を迎えている。
消費者のオンラインへの移動とリアル店舗の売上停滞:下落現象に対し、ファッション産業はIT技術を活用した新しいサービスや商品開発で対応している。この論文は、ビジネス環境の変化の中、ファッション産業において重要な役割を担っている VMDの過去と現在、未来について論じている。
本論文では、先行研究や各種文献の既存の主張を批判し、アンケート、フィールド調査、インタビュー等を通じて分析を行い、消費者が VMD理論についてどのように認識しているか等、既存のVMD 理論の問題点と課題について明らかにし、今後の方向性について提示する。
第1章と第2章は既存のVMDとIT技術を活用した現在のVMDについて叙述し、第3章はアンケート、フィールド調査、インタビューの結果を踏まえた分析を叙述する。第4章は分析結果を基に、今後のVMD理論の方向性とその新規型について論じる。特に、結論として、ニューリテールに合わせた新たなオンラインショップのカスタマイズ、リアル店舗のカスタマイズ、Web In Real Store等を提示した。
中国EC市場における女性オフィスウェアブランドの開発
—新規ブランド“Y-TIME”の事業計画—
現在中国では、仕事と生活の両方を楽しみにしている女性が多くなっている。また、教育レベルの向上に基づいて、高品質の生活を追求する人数も増えている。その中、服についての要求が厳しくなっていると思われる。
一方、全体的に中国のアパレル産業は原価率が低い。また、中国女性の収入と生活費用とリアル店舗のファッション商品の値段を比較すると、前者が低い。そのため、若い女性顧客がリアル店舗からネットショップへ移行している。
本事業計画は中国 EC 市場において、20代後半から40代までのオフィスレディーに適切な価格で良い品質のオフィスウェアを提供したいと考え、第章、第2章では事業背景と市場環境分析、第3章から第8章で具体的な事業計画を行った。
多彩な商品があふれかえっている現代では、どんなに良い商品でも、ただ売りに出した状態だけでは消費者の目には届かない可能性がある。一方インターネット環境が発達したことにより、ソーシャル・メディアを活用した集客は高い効果がある。
本事業は“Wechat”や“WEIBO”の口コミ性を活用して低コストで集客を行い、2020秋冬から事業を開始する。最初は“Tmall”を中心にして販売を行い、将来は自社サイトとショールームでも展開する。