2019年度

2019年度ファッションテクノロジーコース修了研究Completed research

 


着ることを拒否する服

クオ シンクエ KUO HSIN HUI
クオ シンクエ
KUO HSIN HUI

コンセプト

「着ることを拒否する服」は、岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」へのオマージュである。その椅子は、座れることをよしとしない表情と突出した硬い造りであり、美術品ではなく、暮らしの中に潜む生き物だと感じる。
本研究の目的は、惰性で起きて、服を着替えて家を出て、気づいたら出社していた… という退屈なルーティンワークを楽しむ為に、心地良い違和感を抱く服を提案したものである。素材には形崩れにくくストレッチ性のないものを選び、着用した時の着圧が、精神的にも肉体的にも、人間と対等という立場の服を表現した。

学歴

2010
台湾大学 戯劇学科1 年 中退
2014
エコール・ド・シャンプル・サンディカル・ドゥ・ラ・クチュール・パリジェンヌ(ECSCP)
ファッションデザイン3 年 中退
2016
アカデミー・アンテルナショナル・ドゥ・クープ・ド・パリ(AICP)モデリスト・クリエイションコース 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2015 DALF フランス語上級学力資格試験 C1
2017 日本語能力試験 N1
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級


City Functional Clothing -都市機能服-

カク イセイ
GUO YUCHENG

コンセプト

現在、機能性や快適性を兼ね備えたスポーツウエアはファッション性を取り入れたものに人気が集まっており、ストリートファッションのトレンドになっている。
本研究ではこの様な背景をもとに、ファッション性と機能性を追求し、衣服において必要なポケットの内部構造とその機能について研究したものである。
結果、スライドレールから得たヒントを応用し、ポケットの収納容量を従来の3倍以上にすることができた。また、制作した衣服はショルダーバッグやウエストポーチに変化させることができる。ポケットの内部構造のイノベーションにより「都市機能服」シリーズとして、作品制作を行った。

学歴

2017
文化服装学院 ファッション工科専門課程ファッション高度専門士科 卒業
2017
魯迅美術学院 魯美・文化国際服装学院(日中コース) 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


アラミド繊維の特性をいかした防災服

村串 青依来
MURAKUSHI SEIRA

コンセプト

本研究は、火に関わる現場の制服素材として使用されている“アラミド繊維”の特性を理解し、防災服における新しい発見を目的としたものである。
「救助」「防災士」「防災」のタイプ別に特徴を持たせた3着を制作した結果、体の動きの負荷がかかる部分に加えたプリーツ・マチ・タックの中でもプリーツは動的機能に万能なことがわかった。また、制作過程では同じパターンを用いてミシン縫製と溶着加工の工程及び仕上がりの違いを比較したが、難燃性であるアラミド繊維は溶着に適さない事がわかった。今後、アラミド繊維のさらなる可能性に期待したい。

学歴

2017
文化服装学院 服飾専門課程服装科 卒業
2018
文化服装学院 服飾専門課程服飾専攻科デザイン専攻 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2016 一般財団法人日本ファッション教育振興協会ファッションビジネス能力検定3級
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級
2019 日本防災士機構 防災士

 


Camouflage Weekend - 溶着技術を用いた透湿防水アウトドアウエア –

マン アンテキ
WAN ANDI

コンセプト

現代人は仕事や勉強によるストレスが多く、常に「癒し」を求めている。
本研究では、忙しい会社員や学生が週末に校外へ出かけ、アウトドアライフを楽しむためのウェアを提案する。透湿防水のスリーレイヤー素材を使用し、溶着・接着加工により作品制作をした。「カムフラージュウィークエンド」は、アウトドアイベントに参加する時や日常生活などどちらのシーンでも着用できるファッション性と機能性を組み合わせたアウトドアウェアである。

学歴

2017
上海工程技術大学 中法埃菲時装設計師学院 ファッションデザイン(中仏協力) 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2016 服装製作工(製版)(中級/四級)
2016 大学英語試験(CET-4)
2017 J-TEST 実用日本語検定(D 級)
2018 三味線(初伝)
2018 日本語能力試験 N2
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


錯視効果によるデザイン提案 - ミラクルエッシャー展より –

サイ メイケン
TSAI MING CHIEN

コンセプト

ファッションデザインおいては錯視を利用して人々の魅力を引き出すという事例が多く見られる。昨年の基礎研究・創作では六角形を三つの菱形にわけ、平面的な生地が色の幾何図形の組み合わせで立体に見えるような錯視効果を用いた作品制作を行った。
今年度の修了研究では、この効果をより発展的なデザインへと取り込み、平面パターンと色を組み合わたパッチワーク技法による錯視効果の研究と作品制作を行った。

学歴

2009
東方設計学院 美術工芸科 卒業
2012
台南芸術大学 応用芸術大学院 繊維コース 卒業
2018
文化服装学院 服飾専門課程服装科 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2017 一般財団法人日本ファッション教育振興協会ファッション色彩能力検定能力検定3級
2017 一般財団法人日本フォーマル協会フォーマルスペシャリスト検定 準2級
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2018 日本語能力試験 N2
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級
2019 一般財団法人職業教育・キャリア教育財団 準教員資格 取得

コンテスト・賞歴

2013 2013年中華盃アクセサリーコンテスト 最優秀賞
2018 文化服装学院卒業制作 文化服装学院学院長賞

 

STAFF

Photographer : Jun Tsuchiya
Model : Adele

 


3D CADシミュレーションによる立体裁断

薄葉 香蓮
USUBA KAREN

コンセプト

通常3D着装シミュレーションでは、パターンをアバターに着装させシルエットの検証などのために用いるが、逆に3Dから2D パターンに起こすことも可能である。
本研究では、3D上でアバターに対してドレーピングのように布を止めつける方法で立体裁断を行い、2Dパターンとしての精度を検証し、作品制作を行ったものである。

学歴

2018
共立女子大学 家政学部被服学科造形デザインコース 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2016 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定3級
2016 公益社団法人 色彩検定協会 色彩検定2級
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


Mottainai – 3D CAD を活用したゼロロスファッションデザインの提案 –

エン ホンチイ
YUAN HONG CHI

コンセプト

「もったいない」という日本語は、自然の恵みやものを作ってくれた人達への感謝と思いやりの気持ちが込められたことばである。私たちの日常でもそれは存在し、裁断で出る残布はその代表である。本研究では『もったいないばあさん』という絵本をインスピレーションソースとし、身頃・袖・タイトスカートのパターンを使用し、マーキングで出たロス部分すべてを接ぎ合わせ、作品制作を行った。生産工程で生まれた「もったいない」に目を向け、デザインだけでなくパターンメーキング・素材・3DCAD CLOを活用し、ゼロロスファッションデザインを提案する。途中、3Dにてアバターによる着せ付けを行いパターンチェック、着用イメージ、配色バリエーションのシミュレーションも行った。

学歴

2002
東呉大学 日本語学科 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2016 日本語能力試験 N1
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 

STAFF

Photographer : Jun Tsuchiya
Model : 白川 明日香

 


動きで変化する服

周防 安也花
SUO AYAKA

コンセプト

人が動くと布は揺れ、重力や反射や光を感じる。
本研究では、布の動きから踊りをイメージし、コンテンポラリーダンスやモダンバレエのための新しい衣装提案をしたものである。布は一点を固定すると重力が掛かることで平面は立体的になり、布の種類やその落ち方で形が変化する。使用したオーガンジーには暗闇で光を当てると回帰反射が起こり、太陽光ではより白く見えるような蛍光顔料をで柄を捺染した。直線的な柄は布の動きで曲線に見え、透けるオーガンジーに捺染することで幾重にも重なり違った表情を見せることができる。

学歴

2018
文化学園大学 服装学部服装造形学科 テキスタイルコース 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


魅せるランジェリーファッション

望月 美穂
MOCHIZUKI MIHO

コンセプト

下着は第二のヒフであるという言葉があるほど不可欠な存在になっている。下着はもともと体を守ったり覆ったりする衛生的な面だけでなく、エロティックなものへの顕示や体を綺麗にみせるためのボディファンデーションとしても使われてきた。それは時代の変化や流行に合わせ、上に着る衣服と共に下着も変化してきたのである。
本研究は、17世紀・18世紀・19世紀・20 世紀を代表とする下着の特徴を研究し、それらの変化していく特徴を取り入れた「魅せる下着」として新しい衣服を提案する。

学歴

2018
共立女子大学 家政学部被服学科造形デザインコース 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2016 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定3級
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


円形の展開

チョウ トクエン
CHANG TE YUAN

コンセプト

だまし絵の世界を旅するゲーム「モニュメント・バレー 」に美しい色のグラデーションによる建造物が登場する。
本研究では、平面から立体へという考えから、円形の折り紙をもとにパターンを作成し、人体の動きによって面白い空間を生み出すことを目的に衣服制作を行った。素材には張り感のあるメルマとウルトラスエード®、光沢感のあるオーガンジーなどを選び、さらにだまし絵の世界感を表現するためにウルトラスエードにレーザー彫刻を施した。

学歴

2012
中央大学 中国語文専攻1 年 中退
2017
実践大学 ファッションデザイン 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級
2019 日本語能力検定N1

 


ニットと布帛の「天体衝突」

リ キンヨウ
LI XINYANG

コンセプト

宇宙では、万有引力により様々な星が軌道上で回り、小惑星などがぶつかりあっては元の軌道から外れ、滅亡したり、新しい惑星が誕生している。そのように天体衝突によりできた痕跡は「クレーター」と呼ばれている。
本研究では、クレーターをモチーフに編地と織地を組み合わせ、重ねる・包む・裂けるをイメージした丸みのあるシルエットをニットと布帛の「天体衝突」として表現し、作品制作を行った。

学歴

2016
大連工業大学 服装設計と工程 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2014 大学英語試験(CET-4)
2015 日本語能力検定N1
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 


軍服から発想したストリートファッションの提案

ヨウ ショゴウ
YANG SHUHAO

コンセプト

軍服とは軍隊の構成員(軍人)が着用する衣類であり、通常はヨーロッパで近代的軍隊が整備された17世紀以降の軍隊で定められた制服を指す。
本研究は後者の意味の軍服についての研究である。機能性を重視して設計された軍服のパターンや縫製方法を研究し、ドイツ空軍のツナギ、陸軍の制服、レインコートを主に迷彩柄を用いてデザインした。縫製方法にはTPSミシンや超音波溶着機を使い、軍服から発想した現代のストリートファッションを提案する。

学歴

2015
東華大学 服装設計と工程 卒業
2018
文化服装学院 服飾専門課程 服飾研究科 卒業
2020
文化ファッション大学院大学
ファッションビジネス研究科 ファッションクリエイション専攻
ファッションテクノロジーコース 修了

資格

2017 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定3級
2018 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定2級
2019 一般財団法人日本ファッション教育振興協会パターンメーキング技術検定1級

 

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