2013年度ファッション経営管理コース修了研究
 
日系レディスブランドの台湾市場進出

日本の繊維製品・ファッション製品は、世界的に見て、その品質の良さとデザインの高さで優位を保ってきた。アジアでは、ナンバーワンであることは間違いない。近年、日本のブランドを台湾で推進するために、様々なファッションイベントが台湾で行われてきた。実際に、日本のファッションブランドは、ファッションイベントだけでなく、近年積極的に台湾に進出している。

本研究では、第1部で現在台湾での日系レディスブランド代理店の現況を調査し分析し、第2部で日系レディス・ファッションブランドを、台湾の代理店を通して展開する、最も有効な事業計画書を提案した。

多くの日本のアパレル企業は台湾に進出しているが、セレクトショップ業態を代理店が展開する例はほとんど見られない。そのため本事業計画書では、日本のFREE’S INTERNATIONALの主力事業であるFREE’S SHOPの海外初の代理店事業を提案した。

本計画書では、「日系レディスブランドのセレクトショップを台湾の代理店が展開する」という新しいファッションビジネスモデルを通して、FREE’S SHOPの得意とするスタイリング提案が新たなマーケットを開発し、台湾消費者にその「ファッションの世界観」が認識されることに期待を寄せる。

 
消費者が認めるファッション商品の価値 ~有形と無形のバランス~

ファッション商品を取り囲む環境は、成熟化、言い換えれば、窮している状況が見てとれる。多くのファッションメーカーの商品、ブランドが各々のオリジナリティ確立とその持続に苦しみ、消費者感覚との乖離をも感じる。本研究では、まず消費社会の構造をその歴史に求め、その上で現在のファッション市況との照らし合わせを行い、モノの有り様の変化、消費者マインドの変化を確かめる。次に、現状に対する閉塞感の打破として、ファッション商品の価値増大を目的とした(モノ性への回帰)商品、ブランドの開発を提案する。最後に、ファッション商品の開発が企業と消費者との調和を生む可能性に関して、ソーシャルデザインを起点として論じる。これからのファッション市場において、企業が目指すべき将来像と価値の創出のためのフレームワークを提起したい。

 
日常に根付くニュースタンダードショップ提案

人々の価値観の多様化がより一層進む中、出来ることや選択肢の幅が広がるにつれて、「暮らし」に対する意識は高まっている。モノが溢れる中で、選ぶことに慎重になっている人々が、これから求める店という「場」に焦点をあて考える必要がある。本研究では、第一章でファッションにおける「モノ」の価値は、人々にどのような影響を与えるのかを考察し、第二章では、ファッションビジネスのライフスタイル化の現況を分析する。第三章で、既存店舗の暮らしに対する提案の事例を取り上げ、第四章で、新しい時代におけるスタンダードショップ提案を論じている。単にモノを消費するのではなく、大切に長く着ることで生まれる新たな生活感や人間味が出ることに価値があると捉えた。人々の日常生活に根付く「定番品、日常品」として新しい「モノ」の価値を考える中で、事業計画の重要要素として、直接袖を通すことで生まれる人と人のつながり、「場」の空気に触れ「買う体験」を楽しむ『ニュースタンダードショップ』を提案した。

 
グローバル生活雑貨小売業の台湾への進出と拡大
~北欧雑貨「Flying Tiger Copenhagen」の可能性~

近年、ライフスタイル提案を中心とする新コンセプトの生活雑貨ブランドやファッション雑貨企業の魅力がアップし、店舗への集客が大きく向上している。本論文では、第1章で、台湾ファッション市場概況や生活雑貨小売業の経緯や現状をまとめ、第2章では、現在、活躍している生活雑貨小売業のチャネルを5つに分けて、分類・分析した。第3章で台湾市場における生活雑貨小売業に関する事例を2つ挙げて実地調査を行い、第4章では、日本市場にある様々な生活雑貨小売業に基づいて、2013年より日本市場で爆発的な人気を呼んでいる北欧の生活雑貨ブランド「Flying Tiger Copenhagen」の台湾進出の可能性について考察研究を行った。第5章では、さらに今後の展望に関しても意見を加えた。今後、グローバル「低価格生活雑貨」企業が次々に世界に進出して、拡大していくと考えている。「Flying Tiger Copenhagen」に関しても台湾進出を機に、中華圏市場に向け急速に事業拡大を行っていくものと予想し、修了研究として取り上げ研究を行った。

 
中国における日系ブランド・セレクトショップの開発

中国のファッション市場は、現在、急速に発展している。そして、中国の若年層は日本のファッションに大きく影響されている。中国の消費の進化に応じて、日系ブランド・セレクトショップのニーズが増えていくと思われる。本研究では、第一部を本論とし、そして、第二部を事業計画書とする。第一部においては、中国の日系ブランド・セレクトショップのニーズを分析する。ここで、中国のマクロ経済、アパレル市場、セレクトショップの現状を紹介する。そして日系・新進デザイナーブランドを取り扱うセレクトショップの出店のあり方と出店立地について考察する。第二部においては、第一部の中国ファッション市場の様々な現状や中国で展開しているセレクトショップの特徴などの調査・分析結果に基き、中国企業の立場に立ち、出店立地、店舗規模や店舗空間、ショップコンセプト、商品構成、商品調達、プロモーション戦略、損益計画・資金計画などを提案する。

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